健康で生理も安定している場合、妊娠するための過程のどこかしらで障害があるといっても信じられないかもしれません。確かに健康なことは重要ですが、妊娠可能性の低下というものは老化に伴う自然な現象で、遅くとも閉経の10年前には始まってしまいます。挙児を望む場合、妊娠率は20代中盤がピークでそれ以降はゆっくりと減少していくことを知る必要があるかもしれません。

 女性が持って生まれてくる卵胞の数は決まっており(3万~250万と遺伝によりかなり違います)、それに準じて卵子の数も決まっています。幹細胞が生涯新しい精子を生産し続ける男性とは異なり、卵子の年齢は女性と全く同い年です。年齢を重ねれば何かしら健康上の問題が生じやすくなるのと同様に、卵子にも問題が生じやすくなります。卵胞は卵胞は成長の良いものから順に選ばれて排卵していくので、一番質の高い卵胞は20代から30代頭までに排卵してしまいます。30代半ばには残りの卵胞(日本ではあまり一般的ではないですが卵巣予備能と呼ばれます。)は排卵や細胞死を経て質も数も低下しています。

 さらに、排卵後も受精と着床を成功させるためホルモン同士の作用が必要ですが、卵巣予備能の低下はこの過程にも大きく影響するといわれています。

卵巣予備能は40歳で二十代前半の十分の一程度になります(https://en.wikipedia.org/wiki/Ovarian_reserve#/media/File:WallaceKelseyModel.jpg)。

コメントを残す


The reCAPTCHA verification period has expired. Please reload the page.